河本智史│Enable Partners合同会社 代表社員

人材不足や人材育成に悩む中小企業を救う「ビジネス版の家庭教師」など各種サービスを提供。経験豊富なプロ人材を企業内にアサインし、事業推進と同時に担当スタッフの育成を行うというユニークな事業を展開している。

プロフィール


氏名河本 智史(かわもと ともふみ)
生年月日1987年2月10日
出身地神奈川県横浜市
所属/役職Enable Partners合同会社 代表社員
経歴2011年3月 東洋大学 工学部 機能ロボティクス学科 卒業
2011年4月 エンカレッジ・テクノロジ株式会社 入社
2014年9月 株式会社オプト 入社(子会社コネクトム・ジェネレイトへ出向)
2015年12月 株式会社グロービス 入社(学校法人グロービス経営大学院所属)
2019年3月 学校法人グロービス経営大学院 経営研究科(MBA)卒業
2021年4月 株式会社セールスフォース・ジャパン 入社
2023年9月 クラシコ株式会社 入社 メディカルアパレル事業本部 副本部長 兼 事業開発部長
2025年4月 Enable Partners合同会社 創業 代表に就任(現職)
運営サイトEnable Partners合同会社(会社ホームページ)https://enable-pts.com/
SNSPodcast https://open.spotify.com/show/5M0OlusoAbZwnho3kCelpb
メディア実績

 

事業内容


解決している社会課題

  • 人材不足や人材育成に悩む中小企業を救う「ビジネス版の家庭教師」
    多くの中小企業では、「挑戦したい」「事業を伸ばしたい」という経営者の想いがあっても、現場を任せられる人材の不足や、育成の仕組みが整っていないことが大きな壁となっています。こうした課題に対して、経験豊富なプロ人材を企業内にアサインし、事業推進と同時に担当スタッフの育成を行う「ビジネス版の家庭教師」サービスを提供。
  • 地域や業種を超えた企業間の”共創・協業”不足の解決
    異なる企業同士が共に価値を創出する共創の機会が限られており、関係構築やコラボレーションのきっかけが不足しています。ビジネスカードゲーム「SHAKE HANDS」は、参加者が自然に対話・共同発想を行える場を提供し、強みの可視化や関係構築力を高め、共創の第一歩をサポートします。

提供している商品・サービス

  • 「Enable Partners合同会社」https://enable-pts.com/
    中小企業がEnable(できるようにする、力を引き出す)できるように、各種サービスを展開。事業推進、ブランディング・広報活性化支援、マーケティングチームの内製化、DX/AI導入といった企業向け支援のほか、自社開発のビジネス共創カードゲーム「SHAKE HANDS」を使ったワ企業内での強みの可視化とアイディア創出ワークショップや個人向けのコミュニティ運営を展開。

実績

  • 企業向けの伴走支援でクライアント社員のスキルレベル180%向上の実績
    経験豊富なプロ人材を企業内にアサインし、事業推進と同時に担当スタッフの育成を行う「ビジネス版の家庭教師」では、導入前と導入後に計測したスタッフのスキルレベル180%向上という成果を出しています。
  • ビジネスパーソン1,500名のキャリア面談経験
    グロービスで事業責任者を務めた際、ビジネスパーソン約1500名と最適な配置・育成・支援を行うための大切な対話(キャリア面談)を実施。組織内でのモチベーションや成長意欲について多くの知見を得る。

インタビュー


事業を始めたきっかけ

大学を卒業したのはリーマンショックの影響が色濃く残る厳しい時代でした。就職先として選んだのはIT業界のベンチャー企業です。将来的には自分自身で会社を立ち上げ、社会に貢献したいという想いがあったからです。
その会社ではセキュリティ関連のプロダクトを扱っており、私は開発部門からキャリアをスタートし、その後、法人営業にも携わりました。さらに成長を求めて広告業界に転職し、ソフトバンクとのJV企業に出向。パートナーセリングを担当し、営業企画や営業推進の経験を積みました。
この時に、人の育成の重要性を痛感しました。人が「できるようになる」ことの価値を強く実感し、30歳になる前に人材育成の分野に進むことを決意。グロービスへ転職し、約6年間在籍しました。
グロービスでは、オンラインMBAの立ち上げという新規事業を任され、企画から集客、運営までをゼロから担いました。この期間に1,500名以上のビジネスパーソンとキャリア面談を行い、人の成長に関する多くのリアルな事例と向き合いました。
その後、日本全体がデジタルシフトしていく必要性を感じ、地方のDX支援に力を入れていたセールスフォースに転職。数千社の企業リストの中から提案先を選び、自ら営業活動を展開する中で、「良い商品・サービスがあっても、人材が育たない、あるいは育成を諦めている企業が多い」という実態に直面しました。
この状況を変えなければならないという強い想いが、起業を決意する大きなきっかけとなりました。
ちょうどそのタイミングで、アパレル企業から経営企画のポジションでお声がけをいただき、経営だけでなく、事業開発や事業推進にも従事しました。
これまでのキャリアを振り返り、「Enable=できるようにする、力を引き出す」ことを支援したいという想いから会社を設立。とはいえ、当初は具体的なサービス内容は決まっていませんでした。
そんな中、セールスフォース時代の経験から「ビジネス版の家庭教師」というコンセプトが生まれ、それを周囲に話していたところ、「じゃあウチでやってよ」と、思いがけず初受注に至りました。それが現在の事業の出発点となりました。
今後、日本は急速に働き手が減っていく時代に突入します。新しい人を採用するのではなく、既存の社員を強くしていく「リスキリング」が必要不可欠です。その想いを背景に、事業を本格化させ、自信を持って拡大しています。
「ビジネス版の家庭教師」とは、企業が抱える課題──例えばDXやAI活用などのテーマに対し、適切なプロ人材をアサインし、企業内部に入り込んで伴走するスタイルです。
社員の方2名ほどとチームを組み、プロ人材が実際の業務を通じてOJT形式で人材育成を行います。単なる研修ではなく、事業を成功させながら人材も育てる、ありそうでなかった実践的な支援モデルです。
人材が育ち、一定の成果が出た後は、さらに人員を増やして拡大したり、新たなテーマへ展開したりと、企業の成長フェーズに応じた支援を継続していく──それが私たちの目指す姿です。

事業の拡大方法

これまでの会社勤めでご一緒した仲間や、取引先の方々とのご縁を通じて、事業を少しずつ拡大してきました。
事業の内容や私たちの想いをお伝えすると、多くの方が「企業の中に入り込み、事業構築から人材育成まで一貫して支援するサービスは他にない」と共感してくださり、ニーズがありそうな企業をご紹介いただけるようになりました。
人材不足や人材育成に課題を感じている経営者は非常に多く、紹介しやすいサービスだとおっしゃっていただけることも後押しになっています。
現在は、すでに複数の企業様をご支援させていただいていることもあり、拡大よりもまずは一社一社でしっかり成果を出すことを優先しています。その成果をもとに、同じ業界や類似の課題を持つ企業様へお声がけし、導入をご検討いただく──そんな着実な広がり方を目指しています。

事業にかける想い

私がまず強く思うのは、「挑戦できる企業が世の中にもっと増えてほしい」ということです。
セールスフォース在籍時には、数百社に対してオーダーメイドの提案書を作成し、直接お話しする機会がありました。しかし実際には、ご担当者がITに関する知識や経験を十分に持ち合わせておらず、提案内容を表面的にしか理解できないケースも多く見受けられました。仮に理解されたとしても、最終的な決裁者である上司や社長が「どう頑張っても理解してくれない」と、提案を前に進めることを諦めてしまう場面にもたびたび直面しました。
せっかく優れた商品を持ち、DXによって業務効率化も実現できる環境があるのに、「挑戦することすらできない」──この状況を見て、なぜそうなってしまうのかを深く考えるようになりました。
そこで気づいたのは、「人は、やったことがないことは理解できないし、実行もできない」という、ごく当たり前の真実です。この気づきこそが、「ビジネス版の家庭教師」というコンセプトの原点になりました。
プロ人材が企業の中に入り、実務を通じて社員とともに取り組みながら育成していく──そうすれば、人も会社も、これまで挑戦できなかったことに一歩踏み出せるようになる。そんな企業を日本中に増やしたいと思っています。
また、「SHAKE HANDS」というビジネス共創カードゲームも開発しました。これは、縄文時代のように”みんなで助け合う”という、人間本来の協働体験を現代のビジネスの場で再現することを目的としています。自分が持っているスキルや経験を差し出し、誰かが持っていないものを補い合う。そのような価値の交換を通じて、共創のマインドを体感していただくツールです。
このカードゲームは、ワークショップ形式で提供しており、大手シンクタンクの研修企画でも導入され始めています。ぜひ多くの経営者の方々にも体験いただき、組織における新たな協働のかたちを感じてほしいですね。

目標や夢

会社としての目標は、30名ほどの少数精鋭で専門性の高い組織をつくることです。「世の中を今よりも良くしていくために、”できる状態”を増やす」。そのために、できる人を育て、チャレンジできる会社を増やしていきたい。そうした取り組みを通じて、社会に貢献していきたいと考えています。
「SHAKE HANDS」は、実は海外に住むメンバーと共同開発したという背景もあり、将来的には海外展開も視野に入れています。共創のビジネスカードゲームとして、世界中に広がっていき、「”共創”といえばSHAKE HANDS」「”Enable Partners”といえば共創」──そう言っていただけるような存在になれたら嬉しいです。
プライベートの目標としては、2人の子どもたちに「できる」という感覚を伝えていきたいと思っています。やりたいこと、経験したいことにどんどん挑戦できるよう、挑戦の領域を広げてほしい。私自身も、両親からさまざまな挑戦の機会をもらって育ちました。だからこそ、子どもたちにももっと広い可能性を手にしてもらいたいし、「挑戦するって、いいことなんだよ」というメッセージを、彼らを通じて多くの人に伝えられたらと思っています。

座右の銘や好きな書籍など

好きな言葉は「一期一会」です。
子どもの頃、理科の実験で魚を解剖したとき、「人間もいずれ命が尽きる存在なのだ」ということを強く実感しました。それ以来、「限りある命の中で、いかに生きるか」を意識するようになりました。この考え方は、私の人生観に大きな影響を与えています。
今この瞬間に出会っている人も、次に会えるとは限らない。そう思うからこそ、相手の時間をいただいていることの尊さを意識し、「どうすれば価値を届けられるか」「どうすれば記憶に残る存在になれるか」と、常に自分に問いかけています。
「一期一会」という言葉には、後から出会いましたが、まさに私の生き方を表すものとして、深く共感しています。
好きな書籍としては、ジェームズ・C・コリンズの『ビジョナリー・カンパニー② 飛躍の法則』が挙げられます。中でも印象深いのが、「まずバスに誰を乗せるか」という発想です。戦略を決める前に、まず”人”を決める。方向性の議論よりも先に、適切なメンバーを揃えることが、強い組織づくりの第一歩であるという考え方に深く納得しました。
もう一冊は、森岡毅さんの『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』です。限られたリソースの中で「やること・やらないこと」を明確に選択し、集中することの重要性が書かれており、戦略思考の本質をわかりやすく教えてくれる良書です。実際にお客様にもよくおすすめしています。

他の経営者様へのメッセージ

「社内に事業を推進できる人材がいなくて、新しい挑戦がなかなか進まない」──そんな悩みをお持ちの経営者の方がいらっしゃったら、ぜひ一度お声がけください。
私たちは、ブランディング・発信力の強化・販売力の向上といったテーマに対し、”伴走型”で支援を行っています。ただ戦略を描くだけではなく、現場にも入り込み、経営者の右腕として一緒に手を動かしながら、確かな成果につなげていきます。
「できる人材」「挑戦できる組織」をともにつくっていく──その第一歩を、ぜひご一緒させていただければと思います。

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